BC-11AH-A2 の利用に際して知っておいていただきたい法的事項

Posted by: otsuka

BC-11AH-A2(および前モデルの BC-11AH-A)をお使いいただく際に、
BC-11AH-A2 が市販のルーターのような機器製品でなく
Raspberry Pi に装着し自分でソフトウェアをセットアップして使用する Wi-Fi ボード製品であることから
法的な注意点などでご質問をいただくことがあります。

そこで、使用に際して知っておいていただきたい点をまとめておきたいと思います。

技術基準適合証明

BC-11AH-A2 は、Wi-Fi HaLow chip として Newracom NRC7394 SoC を内部に含む
台湾 Askey Computer Corp.(亞旭電腦)製 Wi-Fi HaLow Module
WAH0070
の日本向けバリエーション WAH0070-JP を搭載しています。
この WAH0070-JP は Askey Computer Corp. によって工事設計認証を取得しております。
工事設計認証番号201-240050
工事設計認証番号201-240508

以前のモデル BC-11AH-M2 は Newracom NRC7292 を直接搭載したボードを作成し
自社で工事設計認証を取得しておりましたので、
技術基準適合証明等を受けた機器の検索
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=js01
で「株式会社ビート・クラフト」で検索していただきますと
工事設計認証番号005-103289(令和5年5月22日)
工事設計認証番号005-103289(令和6年2月9日)
工事設計認証番号005-103289(令和6年9月6日)
と表示されていましたが、
BC-11AH-A2 は Askey Computer Corp. による搭載モジュールでの取得のため
「株式会社ビート・クラフト」の検索では表示されません。
ですが間違いなく工事設計認証を取得しております。

従いまして、
海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/inbound/index.htm

技適未取得機器を用いた実験等の特例制度
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/inbound/index.htm
に基づく
電波利用電子申請
https://www.denpa.soumu.go.jp/index.html
をしていただく必要はありません。
日本国内においてそのまま使用していただけます。

電波出力強度設定

BC-11AH-A2 を使用する際には Raspberry Pi OS 11 (bullseye) に
Newracom の NRC7394 用ソフトウェアパッケージ
NRC7394 Software Package for Host mode (Linux OS)
をインストールして設定していただくことになりますが、
その際 11ah インタフェースを AP モードまたは STA モードなど各モードで起動するためのスクリプト
start.py の中に電波に関する各種の設定項目が記述されています。
この設定の中の 53行目
# RF Conf.
max_txpwr         = 13       # Maximum TX Power (in dBm)
は日本国内使用では必ず 13 dBm以下に設定してください。
これは令和4年9月5日に行われた日本国内で802.11ahを利用可能にする電波法令改正
令和4年9月5日 無線設備規則の一部を改正する省令(令和4年総務省令第60号)
概要
省令
とこの改正元である
無線設備規則第四十九条の十四の規定に基づく特定小電力無線局の無線設備の一の筐体に収めることを要しない装置等
の規定により、最大空中線電力(送信出力)は20mW以下と定められているためです。
13dBm = 19.95mW ですので 13 以下に設定しなくてはならないということになります。
(Newracom の元のファイル内では 30dBm (1W)までが許容されているアメリカ向けに 24 に設定されています。)

10% duty設定

上記の802.11ahを利用可能にする電波法令改正および
改正元の
無線設備規則第四十九条の十四の規定に基づく特定小電力無線局の無線設備の一の筐体に収めることを要しない装置等
の中に、電波の送信時間に関して次のように定められています。
二 送信時間制限装置は、次のとおりであること。
2 九一五・九MHz以上九二九・七MHz以下の周波数の電波を使用する無線設備の送信時間制限装置は、次のとおりとする。
(1) 九一五・九MHz以上九二八・一MHz以下の周波数の電波を使用する無線設備
(設備規則第四十九条の十四第八号に規定する無線局のものであって、キャリアセンスを備え付けていないものに限る。)
の送信時間制限装置は、当該無線設備の一時間当たりの送信時間の総和が三・六秒以下であって、
電波を発射してから〇・一秒以内にその発射を停止し、
かつ、〇・一秒の送信休止時間を経過した後でなければその後の送信を行わないものであること。
ただし、最初に電波を発射してから〇・一秒以内に再送信(当該時間内に停止する再送信に限る。)を行う場合に限り、
当該送信休止時間を設けずに送信を行うことができる。
この基準に従うよう、167行目から169行目までの duty に関する設定を行なってください。
# Duty cycle configuration
duty_cycle_enable = 1      # 0 (disable) or 1 (enable)
duty_cycle_window =  1000000
duty_cycle_duration = 100000
この設定に関しては、
BC-11AH-Aでの10% dutyの設定
でも説明しています。