IoT for 牛
Posted by: lesser
2020年に賞を頂いた牛デバイスの紹介です。
このBLEモジュールをカスタマイズしました。
牛の首に取り付けて、活動量を記録します。
データは牛舎に設置したゲートウェイサーバを経由して、クラウドへ保存され、解析されます。
筐体
2〜3mm厚のポリカーボネート製で、パッキンを入れて、ネジ4本で固定します。
牛がデバイスを金属柵にぶつけたり、脱落して踏まれたりしても壊れないように、頑丈な構造にしました。
また北海道で多く使われるため、電池が冷えないよう、空気が断熱材となるように隙間を多くしています。
初期はプロトラブズさんで簡易金型を使って射出成形していました。その後、生産数が増えたのでベトナムの工場に移りました。
設計はテクノブレインさん、ベトナムでの製造もテクノブレインさんに仕切ってもらいました。
電池
オレンジ色がマクセル製リチウムマンガン電池です。
直径約17mmの円筒タイプを2つ直列です。コネクターを取り付けた組み電池で仕入れていました。
温度の問題と、安全性を考慮し、リチウムイオンはやめました。
一旦牛に装着すると充電や電池交換は現実的でないというのもあり、稼働時間を3年と想定し、2本にしたのですが、これまでの稼働実績を見ると1本で良かったかもです。
基板
6層基板です。設計はBCで行い、製造、組み立ては滋賀県のワボウ電子さんにお願いしました。
アンテナ
2種類あります。
一つはNFC(基板下部)で、デバイスの起動に使います。
デバイスは北海道や九州で多く使われるます。
出荷時に空輸されることを考慮し、出荷前の検査が終わると電波を停止できるようにしました。マイコンもスリープして、電池を節約します。
もう一つはBLE(基板上部)です。可能な限り遠くのGWと通信できるよう、サクマアンテナさんに設計して頂きました。
マイコン
Nordic製nRF52832を搭載しています。
基板中央の一番大きいチップです。ファームウェアの開発環境がしっかり整備されていて便利です。
加速度センサー
Analog Devices製ADXL362を載せてます。
nFR52832の右下です。